kotokotokunのブログ

日々想ったことを。

BABYMETALとは何か

 

ライムスター宇多丸師匠の言う日本型アイドルの広い定義は 

 

「実力を魅力が凌駕している存在」。なおかつ「実力と魅力の差がある分をファンが『無償』の行為に基づく応援で埋める」。この定義に基づいていうと

 


BABYMETALはどうだろうか?

ユイメタル、モアメタルだけならこの定義に当てはまると思う。
だがスゥメタル(中元すず香)と言うアクターズスクールで学び、その中で歌の評価の高かった実力あるボーカリストがいることにより日本型アイドルの枠に収まり切らない安室奈美恵的90年代的アーティスト指向、スキル主義が持ち込まれていると思う。
AKBのような才能の有無をこちらが見出す育成的な物の見方ではなく既に見出された才能がベースにあり完成されているもの(素材)がある。

そしてこの3人のダンスユニットだけでなくバンドがいると言う構造。それもただのバンドではなく間違いなく本物の実力があり有無を言わさぬ圧倒的なスキルをもったメンバーがいる。このメンバーがいる事の音の説得力、圧というものはそれ単体でも凄まじいものがある。



それと作曲陣。
ゆよゆっぺ(メギツネ、KARATE)という人は初音ミクでラウドロック全般の音に日本語の歌を乗せた曲を多く作っている。言ってみればBABYMETALが出来る前からメタル、ラウドロックとアイドルとの融合の実験は積み重ねられていて初音ミクがリアルになったようなものである。BABYMETALの下地は既に出来ていた。 

 

BABYMETALが世界的にバズる要因ともなった曲ギミチョコを作曲した元THE MAD CAPSULE MARKETSの現AA=の上田剛士(泡玉フィーバー)というオリジナルが日本にいた事もデカい。世界中見渡してもこれほどポップセンスがありインダストリアルでデジタルロック、パンク、ミクスチャーなオリジナリティのある音作れる人材はいない。これがベビメタに完全にハマりBABYMETALのオリジナルとなった。

 

物販のTシャツのデザインを見ても本物志向、本気度がうかがえる。デスメタルバンドのジャケットを数多く担当しているブルータルでゴアな絵を描く江川敏弘という本物を起用している。




先日出たBABYMETAL『METAL RESISTANCE』を聴いてここに含まれるメタルのジャンルをざっと言うと

メロスピ、ニューメタル、メタルコア、スカ、バトルメタル、インダストリアル、デス、プログレ、マスコアからブリングミーザホライゾンのような現在進行形のポストハードコア(ダブステップ、EDM含む)などがある。
これほどのメタルジャンルの横断を出来るアーティストは世界にいない。唯一無二である。

 

【早期購入特典あり】METAL RESISTANCE(EU盤)(防水カラーステッカー Toy's Factory 輸入盤ver.)

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BABYMETALには物語性(アイドル的)もある。


メタルを知らなかった3人の女の子が世界に出て色んなものと対峙して成長していく物語。


アイドルとメタルの融合という禁忌を犯した者がTHE ONEを目指す物語。




こういった要素が重なり合ってBABYMETALがある。言うなればBABYMETALとはコバメタルがキュレーションしたアイドルとメタルラウドロック(コンポーザー、プレイヤー、アートワーク)のオールジャパンなのである。そのメンバーが世界の土手っ腹に一発入れようとしている。
これは人材がいないと成り立たない。世界に認められるような高いレベルにある人材が日本にいたと言う事は素晴らしい事で日本の誇りだと思う。


個人的にメタルかメタルじゃないかアイドルかアイドルじゃないかというのにはあまり興味が無い。ラップとメタルを合わせたミクスチャーはラップかメタルかどうかを言っているようなものだと思うので基本的に音楽を”更新”できるかという所に興味がある。
それも日本が先だって新しい概念や音が出来るかどうか。似たようなリフがあって似たような歌い回しでファッションも海外の模擬っていう二番煎じでは無く。

オリジナリティ ここが一番。


結局、無理を通して道理を蹴っとばしてるやつが理屈抜きにカッコイイ。



まぁ、そういうのひっくるめて一言で言うとBABYMETALっていいよね~(笑顔)ていう そういう事です。